あの時から私の胸の奥には棘が刺さったまま ──── 。

悲しみという名の棘が。





「久しぶりね、ムウ。」

『ムウ・ラ・フラガ』

そう刻まれている白い墓標。マリューはその名前の部分を手で優しく撫でた。

プラントvs地球軍の戦争終結から一年。

まだ完全とはいえないがオーブ首長国連邦の仲介の元、双方の人々は平和への道を歩み始めている。

けれど────。

「・・・コーディネーターとナチュラルが手を取り合う世界がもうすぐ実現するわ。」

でもどうして。どうしてあなたはここにはいないの?

「・・・・・ムウ・・・・っ。」

『俺は必ず帰ってくるよ。勝利とともにね。』

あなたはあの時そう言ったのに。必ず帰ってくると約束したのに。

ドミニオンから発射されたローエングリンの砲火から、アークエンジェルを、私を守ってあなたは宇宙に散った。

『マリュー。』

そう言って私を優しく呼ぶ声はもう聞こえることはない。

私を力強く抱きしめてくれた腕も、その胸の暖かさも、優しいキスも二度と感じることはない。

あなたがいたから、私は戦ってこれたのに。

あなたがいたから、死んだあの人のことを吹っ切ることができたのに。

生きていてほしかった。ずっと私のそばにいてほしかった。

でもそれはもうかなうことはない。

でも神様。かなうならどうかどうか────

もう一度彼に。

会わせてください。






あとがき

あい変わらず、駄文ですみません(泣)。しかも短かっΣΣ°д°

ムウマリュと言うよりマリューさん独白になってしまいました。

49話、もう私は泣きっぱなしでした。

ドミニオンのローエングリンからマリューさんの乗るアークエンジェルを守るため、

自ら盾となるムウさん。

アズラエルの暴走を今まで止められなかった自分の過ちに気づき、彼を足止めするために

一人残り、「撃て──っ、マリュー・ラミアス!!」と叫び、満足そうに微笑みながら死んだナタルさん。

私的にはナタルさんにはマリューさんと和解。ムウさんはマリューさんと幸せになって

ほしかったです・・・・。

SEED人死に多すぎます───!


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