涙
あなただから、私は自分の心のうちを見せることができた。
いつでもあなたは私の悲しみを癒してくれる。
「父が・・・死にました。」
表情を見せないよううつむいて、それだけをつぶやくのが精一杯だった。
こらえきれず、涙が一筋零れ落ちる。
「ラクス・・・・。」
キラがゆっくりとこちらに手を伸ばし近づいてくる気配がする。
心配要らないと、大丈夫だと笑顔を浮かべようとしたが、うまくいかなかった。
大粒の涙が次々と頬を濡らす。
自分は泣くわけにはいかないのに。父を喪った今、クライン派をまとめ上げなければいけないのは自分なのだから。
でも、何故だろう。
彼の前ではそういった決心が揺らいでしまう。彼の優しい紫の瞳を見ていると今まで堰き止められた思いをすべて
さらけ出して、今にもその胸に飛び込んでしまいたい衝動にかられる。
その衝動を必死に抑えながら彼から目をそらそうとした。
しかし、次の瞬間。
腕をつかまれて強い力で引き寄せられ、ラクスは彼の腕の中にいた。思わず驚きに目を見開く。
「キラ・・・?」
背中に回された腕の力がさらに強まる。
「・・・・・もう我慢しなくていいから・・・・!あの時、君は傷つき悲しみにくれていた僕を受け止めてくれた・・・。だから、
だから、今度は僕が君の悲しみも苦しみも受け止めてあげるから・・・!」
それが限界だった。
「ふ・・・・・っ、く、あああぁぁぁぁぁ・・・・・・・っ!!」
キラの言葉に今までの想いが全部あふれてゆく。ラクスはもう涙を我慢することはしなかった。キラの背中に腕を回し、
彼にすがり付いて泣きじゃくった。
・・・・・お父様、ラクスは強くなります。あなたの願いだったコーディネーターとナチュラルが手を取り合って笑い会える
世界を作るために。
だから、今だけは。どうか今だけは。
この愛しい人の腕の中で泣かせてください。
あとがき
初小説です。ほんとに駄文で申し訳ないです(泣)。
構成もむちゃくちゃや・・・・。
あれだけ近日にUPすると豪語しておきながら、時間がかかってすみません〜TДT
楽しんでいただけたら本当に幸いです。